四国は思ったよりもずっと広かった
四国を知らずに移住してきた
東京から、愛媛松山に越してきて5年。移住当時の違和感を覚えているうちに記録するシリーズ。
私は埼玉出身、両親は岩手出身の根っからの東日本っ子でした。
四国に初上陸したのは妻の実家にご挨拶に行ったのが初めてでした。しかも飛行機で直接松山しか訪れていなかったため、四国というエリアについてほとんど知りませんでした。日本の主要四島の中で最も小さい四国は、本当に縁がない土地でした。
その後、沢田マンションを見に高知に行ったりもしましたが、東京からだと直接飛行機で目的地の空港に到着してしまうため、地域間の距離感などまったくわかりません。
四国と名乗ってみたが。。。
私は東京でIT技術者コミュニティを運営したり参加したりしていたので、愛媛に移住してからもそういったコミュニティを立ち上げようと思っていました。 そのため、つけた名前がAgile459(アジャイル四国)でした。当時はまだ四国がどんな感じかも知らないうちに。。。。
四国は広い!?
さて、愛媛に移ってきて驚いたのは、四国他県にいくのに時間がかかることでした。 愛媛県のJR松山駅を朝7:00にスタートして四国他県の県庁所在地の駅と、参考に東京都庁までの移動時間を比較してみました。(高速バスの移動は時刻表はありますが車の時間に準じます)(Google Map調べ)
鉄道の場合
行き先 | 手段 | 時間 | 備考 |
---|---|---|---|
高松(香川) | 鉄道 | 2時間25分 | 特急いしづち、07:20発 |
高知(高知) | 鉄道 | 4時間10分 | 多度津経由で特急乗り換え。しおかぜ→南風、07:20発 |
徳島(徳島) | 鉄道 | 4時間05分 | 高松経由で特急乗り換え。いしづち→うずしお、07:20発 |
東京(参考) | 飛行機 | 4時間21分 | 08:20発ジェットスター〜成田空港経由 |
松山から鉄道を移動手段として使うとすると、実際のところ高松行き以外は選択肢に入らないです。後述する車・高速バスに頼ることになります。
追記(8/20):土讃線はディーゼルエンジンなので電車ではないというフィードバックがあったので電車→鉄道に修正しました。下記のサイトを見ると、鉄道事情が各県によって違うのがよくわかります。
車の場合
行き先 | 手段 | 時間 | 備考 |
---|---|---|---|
高松(香川) | 車 | 2時間〜2時間20分 | 松山自動車道〜高松自動車道経由 |
高知(高知) | 車 | 1時間50分〜2時間10分 | - |
徳島(徳島) | 車 | 2時間20分〜2時間50分 | - |
東京(参考) | 飛行機 | 4時間21分 | 08:20発ジェットスター〜成田空港経由 |
どこに行くにも2時間以上は見ておかないといけません。私のような車の長時間運転が苦手な人間にとっては、2時間程度でも結構苦痛です。大抵は高速バスを使って各拠点に移動します。
なぜ鉄道がこれほどまでに遅いのか?
JR四国は四国山脈を避けるように線路を四国の海岸線に沿って敷設しているのに対して、高速道路は海岸線ではなく、トンネルで山を越え拠点と拠点を結んでいるためのようです。またJRは大部分が単線であることも遅い理由のようです。四国は昔から険しい四国山脈を避けて海運が栄えたことも理由の1つでしょう。
ちなみに、松山から高知に移動する場合は、高速道路も鉄道も、国道のように山中を越えて最短距離でつなぐのではなく、一旦東に移動して、途中から南へ抜けるルートになっています。そのため距離のわりに時間がかかります。
四国が広いのか、松山が遠いのか?
私は松山に住んでいるのでそこからの距離感だと遠いイメージがあるのですが、もしかすると四国の他県からは実はそれほど遠くはないのでは?という仮説を立てて、四県の県庁所在地間の移動時間(乗用車)を調べてみました。
出発/目的地 | 松山 | 高松 | 高知 | 徳島 |
---|---|---|---|---|
松山 | - | 2:20 | 2:10 | 2:50 |
高松 | 2:20 | - | 2:00 | 1:40 |
高知 | 2:10 | 2:00 | - | 2:10 |
徳島 | 2:50 | 1:40 | 2:10 | - |
この表にしてみた結果、松山だけ極端に時間がかかるというわけではないことが確認できました。ただし、他拠点間に比べて若干時間がかかるのは間違いなく、高松〜徳島間の1時間40分と比べると、やはり時間がかかる印象は拭えません。
時間がかかるのは当たり前!?
ここで、関東に四国の距離感を持って行くとどうなるのかを試してみました。くらべ地図というサービスを使って2つの拠点の地図を同縮尺で表示してみました。
松山から一番近い高松までの距離を関東に重ねると筑波から河口湖までの距離に相当します。一番時間のかかる松山〜徳島間だと銚子から箱根までの距離に相当します。単に時間がかかるだけでなく単純に距離が離れているということですね。
銚子在住の人に「箱根はいいところだから来なよ!」といっても、そりゃなかなか行きづらいよね、ということがよくわかりました。
これでも改善された交通事情?
交通の利便性が高い関東に長年住んでいたので、移動にこれほど時間がかかるのでは四国の相互交流もなかなか進まないのではと考えていたのですが、四国のWikipediaを見ると、次のような一文がありました。
かつては、「徳島は近畿(阪・神)を向き、高松は岡山を向き、松山は広島を向き、そして高知は太平洋(または東京)を向いている」と言われ、「四国は一つ一つ」などと風刺されることもあった。しかし、20世紀末から高速道路網の整備によって四国内の相互交流が深まり、21世紀初頭にはそれまで盛んだった本州の都市を凌駕するに至った。
四国は高速道路の整備が遅れていたため、以前は国道を使っての移動が中心だったため上記のような状況だったようですが、1990年ごろから整備が進み、四国内の交通事情は以前と比べて大幅に改善され相互交流が深まったそうです。
実際にどの程度相互交流が行われているのかについては、四国のWikipediaに2010年 全交通機関の生活圏別年間流動先の順位という表が掲載されています。元データは国土交通省の207生活圏流動表です。
表だといまいち見辛いので、視覚的に分析してみた結果を四国内の相互交流量を分析してわかった3つのこととして別にまとめました。
国土交通省が公開している生活圏間流動表をビジュアルにマッピングしてみると、今まで知らなかった四国の姿が見えてきた。四国は本当に相互交流が盛んになってきたのだろうか?松山はどんな感じ?
giantech.jp
まとめ
個人的な印象を元に、四国内の移動時間を調べてみました。
確かに関東、特に東京近郊と比べるとかかる時間は多いですが、移動時間がかかるということを、それぞれの街ごとの個性・特長や四国内の多様性を保全する機会と捉えることで、むしろ移動時間がかかることもメリットに捉えることができるのではないでしょうか。
勢いでAgile459という名をつけてしまい後悔したことも多々ありますが、むしろ四国と名乗ったため、四国他県の方々との交流ができたことはよかったと思います。願わくば、AgileXXXが四国他県でもできますように。