皆で作り上げた、オフグリッドカフェ@MYJ 第一回
オフグリッドカフェとは?
えひめ森林公園で自作ロケットストーブ、アルコールバーナー、一斗缶オーブンを使ってのオフグリッドカフェを開いてみた。
オフグリッドカフェのコンセプトは、わたし電力さんの森の中に電気もガスも使わない「オフグリッド・カフェ」を開くを参考にさせて頂いた。
つまりは「電気もガスもない森で、コーヒーを淹れ、ケーキを焼き、カフェをやってみる」というコンセプト。
これまでロケットストーブの自作ワークショップを一度、何度かロケットストーブを使った調理イベントを行ってきたが、基本は煮炊きがメインだった。一般的なアウトドアイベントでも、炭火でBBQがメインとなる。なかなか屋外では体験しないカフェっぽいメニューを実現しよう、ということで、お湯を沸かすのはもちろん、ピザやパンを焼いたりして皆でワイワイやりたいと考えた。
オフグリッドにもうひとつの込めた意味はエネルギー自給ということ。メインの調理は、ロケットストーブを使い、拾ったり剪定したりした木質バイオマスの余剰物を利用するのは重要だ。
コンセプトを元に実験&共創
問題は自分は手作りピザとかパンとかを作った経験が無いということだ。ロケットストーブを使ってどうなるかもわからない。事前に実験する余裕もない。まったくわからないので、コンセプトは打ち出すが、イベント自体を実験という形にして、参加者が皆でアイデアを持ち寄り作るという形にした。
自分も一応ノブヒェン窯を参考に余ってる中華鍋とステンボウルでロケットストーブの上で使う調理器具っぽいものは作ってみたが、実際にうまくいくかどうかは試しておらず出たとこ勝負。まさに実験!!
えひめ森林公園で開催
今回の場所は伊予市のえひめ森林公園のキャンプ場。炊事棟をまるまる使わせて頂いた。特に天気が良かったので、屋根付きの場所で火を扱うことが出来るのは非常に助かった。
ここは利用料がなんと無料。車がないと現地まで来るのが大変だが、一応電車でもこれるし、途中の坂がきついが自転車でいけないこともない。テーブルも椅子も多く、ゴミ箱もあり、立地としては恵まれていたと思う。集まったのは、これまでのロケットストーブイベントの参加者と、最近山で盛り上がってる友人たち。
実際にやったこと
ピザを焼く
ピザは、事前に生地を作ってきてもらい、その場でトッピングをした。子供も参加して皆でワァワァとトッピングをしたものを焼いて食べるというのはとても楽しい。
ピザはロケットストーブの上にフライパンを置いて焼いたが、最初の方は火加減がわからず底面が焦げてしまった。段々と火加減の調整がわかってきて焼き加減がうまくなっていくのがよくわかるのが面白い。火加減については、自在に火力を操る火遊びの達人がいると非常に心強いのも実感。
パンにもチャレンジ
ロケットストーブ+ノブヒェン窯を使ったパン焼きも挑戦した。(初めて)自宅でパン生地を作り、1時間ほど発酵させて焼いてみた。ノブヒェン窯についてはこちらを(ロケストオーブンでパンを焼く(ノブヒェン窯))、パンのレシピはこちらを参考にさせて頂いた。(ノブヒェン窯でシンプルパン)
ノブヒェン窯の材料となる使いふるしのフライパンがなかったため底面は中華鍋を使った。しかし中華鍋は底が平らでないため瓦(今回は植木鉢の欠片)が置けない。そこで破砕瓦を底面に敷いて底を平らにしてから、植木鉢の欠片を置いて、ボウルで二重の蓋をしてみた。(以下の写真:ロケットストーブの上に乗ってるのが窯)
しかし思ったよりも熱が篭らないようで、最初のパンが焼けるのに1時間くらいもかかってしまった。ロケットストーブの火力自体は頑張っていたので、単純に窯の構造の問題だと思う。中華鍋→破砕瓦→植木鉢となったため熱源から遠くなりすぎたせいかもしれない。(確認で何度も開けたのもよくなかったか。。。)
他方、底面に焦げ目はできなかったので(写真を撮りわすれてしまったが)、ピザはフライパンよりも、ノブヒェン窯で焼いたほうが良さそうなのはよくわかった。次はこいつでピザを焼いてみようと思う。そしてパンにも再チャレンジしたい。
一斗缶オーブン
西山さんのオリジナルアイデア一斗缶オーブンはとてもおもしろかった。一斗缶を横にして、片面は全開き、反対側は上側だけ開け、一斗缶の中で火をたく。一斗缶の上で煮炊きもできるし、中で炭を使い、金網を入れることでオーブンにもなる。
実際にお湯を沸かしたり、パンや芋を焼いたり、フライパンでマフィンを焼いたりもしていた。是非ともこのアイデアは研究してみたい。
挽きたてコーヒー
いつもロケットオーブンイベントには、田中さんの手動ミルで挽きたてコーヒーを飲むのが定番だが、今回は不運にもミルを忘れて一転してピンチに!!しかし、コーヒー豆を様々な方法で破砕し、なんとか淹れることができた。
その場における創意工夫(ブリコラージュ)でなんとかできるのだ、ということを、まざまざと見せつけられた気がした(そして道具の便利さ・偉大さも実感)。
搾りたてジュース
いつも御世話になってるNohara農園の武智さんには、農園でとれた甘夏の搾りたてジュースやフレッシュハーブティーを出して頂いた。
甘夏は爽やかな甘味でとても美味しく子供にも大人気だった。レモンバームとミントのフレッシュハーブティーも爽やかな風味がよく出ていた。ハーブは農園に自生しているものをお持ち頂いた。
小型アルコールバーナーでコーヒー
清水さんにはアルミ缶を利用した自作のアルコールバーナーを持参して頂いた。このアルコールバーナーはとても小型で持ち運びに便利だし、少量のアルコールでお湯が沸かせる優れものだ。
清水さんは、子供にもその使い方をレクチャーしてくれて、お湯を沸かしてコーヒーを淹れてくれていた。山の上でコーヒーを飲みたいなら、軽量で持ち運びに便利なアルコールバーナーはよいお供になる。
燃料を自分で集める、道具を自分で作る、火を扱う
ロケットストーブや一斗缶オーブンの燃料は拾い集めた竹や枝ばかり。
当日近くに落ちていた枝を集めて切り分けても使ったし、杉の葉、マツボックリなども子どもたちに拾ってきてもらって着火剤として使用した。
更にはNohara農園近くの伐採済みの竹や農園の枯れたミカンの木をカットしておいて持ってきてもらったし、西山さんの持参した薪は山道に落ちている木を拾ってきただけだそうだ。自分も庭の剪定枝を1年くらいとっておいて乾燥させたものを使用した。
アウトドア調理用のコンロとガスやガソリンでも調理はできるが、ロケットストーブがあれば小枝やマツボックリでさえも全て燃料に見えるし実際に使える。
松山市はそれなり大きな街だが、近くに木々は沢山ある。ただのゴミ・邪魔ものにしか見えないそれらを生かす工夫を施すことで、もっと面白いことができることをロケットストーブは教えてくれる。また子供が火を扱う機会が減っている今、安全に留意しながらも、こうやって火を扱う機会はとても貴重だ。
イベントの時は、ついつい自分が(皆に早く料理をと思い)火の番をしてしまうが、もっと皆に火を扱う機会を持ってもらうことのほうが大事なのだろう。
改善点はあれどやってみてよかった!
オフグリッドカフェの記事を見てから思いつきで企画して、実験と位置づけて投げっぱなしで開催したが、参加者の皆さんの前向きに楽しむ姿勢でなんとか無事に終わったのでほっとした。
ピザの焼け具合や、パンの味(これは生地を作ったのが自分だったので反省しきり。。。)、ノブヒェン窯の構造など改善点もあるが、何より皆で持ち寄ってワイワイやれるのが楽しかった。また、子供やペットがいると雰囲気が和むという意見もあり、いろいろな世代がいるのがまたよいのだろうな。
次回こそはロケットストーブ担当をローテーションにして、皆で火の番を体験したり、全員がもっと話ができる工夫をしたい。またやりましょう!!(そしてロケットストーブ自作WSも)
ちなみに、次に狙っている自作調理器具はタンドール窯なので、こちらもそのうち作りたいな。