家庭菜園に学んだこと

今年から家庭菜園をはじめた。

自宅のルーフバルコニーにプランターや鉢を置き、5月頃から土を作り、種を撒き、肥料をやり、水をやり、成長を待つ。 野菜の成長は、ただ見守るしかない。もちろん肥料やりや、水やりや、虫の捕殺などの作業はあるが、基本は日の光を浴び水を吸い植物が成長するのを待つだけだ。

そんな中、今の時期は虫がとても発生する。マンションの6Fの屋上にもかかわらず、虫はどこからともなくやってきて葉を食害する。 特に、コマツナがひどく食害された。虫は多分コナガという小さなガの幼虫。捕殺をサボるとあっという間に成長して葉を食べつくしてしまう。

最初に植えたコマツナは、あまりに食害されたため諦めた。幸いコマツナは成長がとても速い植物なので、二度目の栽培で種をまいて育てはじめた。 ベランダ菜園だから当然農薬などは使いたくない。そこで代りに竹酢液 [1] を希釈してスプレーで毎日噴霧していた。しばらくはその効果か虫がつかず いけると思っていたのだが、途中から虫がつきはじめた。竹酢液は防虫の効果はあるが、殺虫の効果はない。一度ついたら、あとは捕殺するしかない。 最初は毎朝頑張ってイモムシを捕まえて、隣のビオトープのメダカの餌にしていたが、次第に捕殺が追いつかなくなってきた。

イモムシは小さい頃は、食害も非常に小さな穴なのだが、成長するにつれて、食べる量も範囲も増えて、葉っぱが筋だけになってしまうことはざらだ。 「またしてもダメなのか...」ほとほと困って、図書館で家庭菜園の本を借りて読んでいる中で、こんな記述を見つけた。

葉ものは、夏の間は虫が大量に発生するので避けて、秋から冬にかけて栽培しましょう。

「はっ」とした。「虫が発生する」という現実を受け入れることで得られる解。「虫が出るなら、殺してしまえばいい」、「どうやって殺せばいいのか」という短絡的な解決策ではない。「夏になると虫が増える」という現実を受け入れると、「夏には虫に強い野菜を栽培する」「夏には虫に弱い野菜は栽培しない」という解が生まれる。もちろん、野菜の旬との関連上、虫が発生する季節に栽培せざるを得ない種類もあるので、すべてがその解で解決できるわけではないが。

これが昔から言われている「押してもだめなら、引いてみな」ということかもしれないし、「現実を受け入れる」ということなかもしれない。そして最近の自分の中の流行りのシステム思考的に考えても、目の前にある問題に対しての解決策(=農薬)よりも、栽培しないという解決策の方がシステムに影響を与えずに、問題を解決できるのではないだろうか。

僕らは他にも「やらなくてもいい農薬」を撒いてはいないだろうか?
[1]: 竹を焼いた炭から作った水。こげた匂いが強烈で、虫や鳥を遠ざける効果がある。

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